星の数ほどアクティブファンドは存在しますが、なかなか指数をアウトパフォームするファンドは出てきません。
筆者自身、多くのアクティブファンドを分析してきましたが、いつか光り輝く成績を残すファンドと巡り会えたらと、粛々と観察しています。
今回はテクノロジー系アクティブファンドの「グローバルAIファンド」を取り上げたいと思います。
下落耐性に課題があるファンドです。
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グローバルAIファンドとは?
投資対象
「グローバルAIファンド」は、未来の経済を担う企業への投資を志向しています。
ロボティクス、フィンテック、IoT、セキュリティ、VR、そして自動運転といった分野の企業に投資を実行していきます。
これらの技術がもたらす進化と応用によって、期待を遥かに超える成長が実現するとの目論見です。
AI関連事業は世界の進歩を牽引し市場の地盤を揺るがす存在となっています。
グローバルAIファンドはその成長を未来に向けて捉え、大胆な投資を行います。
2020年から、わずか7年後の2027年にはAI関連企業の売上高が12倍に急増するとの予測がなされています。
実際に2024年現在、AIブームが発生しNVDAなど半導体企業は一気に株価が上昇しました。
テスラやグーグルなどビッグテック企業も上昇し、S&P500は大型株に引き上げられていきました。
とはいえ、インターネットブームの頃のような20年以上にわたる長期のブームになるかは議論があります。
業績が伸びているのはマグニフィセントセブンのみですので、相場はどこかでおかしくなるはずなのです。
為替ヘッジはあり・なしを選択可能
為替ヘッジは悩みどころですよね。
筆者としては既にドル円が150円近辺まで来ているのを見ると、さすがに160円、170円を目指すことはないだろうと思ってしまいます。
しかし、140円、150円もそう思っていましたよね。アメリカは引き締め日本は緩和を行なっており金利差が拡大し続け今の通貨価値になっているわけです。
しかし、いつまでもアメリカが引き締めを行うわけでも、日本が緩和を行うわけでもありません。
米国ではまだまだ雇用が強く、インフレ再燃懸念があり、もし再燃するようであれば1970年代の第二波、第三波と続き金利が異次元の10%超えもあり得ます。
インデックスファンドはもちろん凄まじいボラティリティに悩まされることになります。
金利が上昇し続けると、先に経済が破壊される場合もあります。本当に神のみぞ知るというところなのです。
しかし投資家は決断しなければなりませんね。現在ドル建て資産へ長期投資(5年以上)するのであれば、筆者であれば為替ヘッジをします。
米国の経済が不況に陥れば間違いなく円高方面へ傾きますが、実際のところはしばらく金利は高止まりしそうではあります。
今はどちらにせよリスクが高い局面なのです。つまり、米国株への投資は控えたというのが本音です。
ただ5年スパンで考え、どうしても投資をしなければならないのであればインフレは収まるであろうという公算のもと為替ヘッジで投資です。
そもそもグローバルAIファンドが魅力的なのかどうかを後続でチェックしていきましょう。
分配金
分配金は以下の通りの払い出しとなっています。2021年以降出していません。十分なリターンがないと分配金どころではありませんからね。
最近の分配実績(税引前)(円) | ||
期 | 決算日 | 分配金 |
第二期 | 2018/9/25 | 150 |
第三期 | 2019/09/25 | 0 |
第四期 | 2020/9/25 | 200 |
第五期 | 2021/09/27 | 350 |
第六期 | 2022/09/26 | 0 |
設定来累計 | 800 |
最新のポートフォリオ
2024年3月末のポートフォリオは以下です。
指数を押し上げているエヌビディア、テスラ、アマゾン、マイクロソフトが入っており、これでパフォーマンスが悪いわけがないと信じたいところです。
実際は2022年にナスダックは大暴落があったので、どこまで回復しているかという話になります。
ただ、第5位のテスラは2024年に入っても大きく暴落しており、先行きは暗いです。テスラは確かにAI銘柄ではありますが、EVがメインですからね。
手数料は?解約手数料はなし
購入手数料が購入価額に対して3.3%(税抜3.0%)、信託報酬が1.925%(税抜1.75%)となっています。
初年度は5%かかるのですね。また、信託報酬は他の投信に比べても高いです。それだけパフォーマンスを期待していいということでしょう。
解約手数料はありませんので、売る時は躊躇なく売れます。
下落理由は?今後どこまで上がる?運用実績から見る
円安の追い風をダイレクトにうける為替ヘッジなしバージョンの基準価額は以下です。
為替ヘッジありは以下となっています。ファンドの実力を測るには為替ヘッジありを見る必要があります。
2022年以降、為替が130円から150円になっていますので、ノイズを省いてファンドの実力値を見る必要があります。
為替の追い風と、よりよいファンドを選ぶことが目的ですからね。
しかし、2022年から直角に暴落していますね。2020年のバブル相場で稼いだ分を大幅に吐き出してしまっています。
今年のAIブームがなかったら、コロナショック前の水準に戻るほどに相場の下落を被弾していました。
2023年は+40%となっていますが、これは実は全く回復できていません。
例えば、損失50%を回復するには+100%のリターンが必要なのです。暴落に弱いファンドというのはパフォーマンスが伸びないのです。
1-3月期 | 4-6月期 | 7-9月期 | 10-12月期 | 1-12月期 | |
---|---|---|---|---|---|
2024年 | 5.25% | -- | -- | -- | -- |
2023年 | 12.35% | 17.49% | -7.64% | 15.05% | 40.27% |
2022年 | -10.58% | -32.20% | -1.68% | -11.22% | -47.08% |
2021年 | 1.95% | 13.40% | -5.81% | 0.41% | 9.34% |
2020年 | -12.91% | 42.31% | 20.23% | 31.97% | 96.64% |
やはりボラティリティが大きすぎるファンドですよね。当然ですが、そもそも上昇したのはパンデミックによる異次元な金融緩和です。
資金がジャブジャブで、耳触りのよりストーリー銘柄はどんどん買い上げられました。
そしてFRBは一転して引き締めをしたのですから、ストーリーしかない銘柄は下落して当然です。
グローバルAIファンドが下落した理由、というより米国株全域が一気に売られたのが2022年だったのです。
直近は上昇していますが、年初にChat GPTなどAI関連で話題が沸騰し、一時的にブームになっているだけです。
このブームがいつまで続くのかについては最後の項目で述べたいと思います。
さて、筆者は可能な限りをマイナスを縮小し、少しでもいいからプラスを積み重ねることができる堅実なファンドを常に探しています。
なぜならば複利効果こそが資産形成においては最強といえる手段だからです。
ボラティリティが高い投資先であれば、一瞬で資産を失ってしまう可能性が高いです。
グローバルAIファンドに関しても、コロナバブルで大幅に利益を稼いでいます。
しかし、2022年に50%近くを失っているわけですから、ほぼリターンがなくなったと言っても過言ではないのです。
そして、今年はAI元年と言ってもよいほどの相場で、NVDAやマイクロソフトもポートフォリオに組入ているにも関わらず、ファンド最高値に全く届いていません。為替ヘッジなしの円安の追い風を受けてもダメなのです。
「大幅下落」は、長期的なパフォーマンスで大きな足枷になることがよくわかります。
堅実な運用をしたいのであればインデックスファンドでいいのでは?と意見をもらうこともありますが、インデックスファンドこそがボラティリティが高すぎます。
本来はアクティブファンドでプロのファンドマネジャーがどんな相場でも、大幅下落を避け、複利運用をしてくれればいいのです。
しかし、プロと称するアクティブファンドでは、それを実現するのは難しいようです。
結果的に、しっかり結果を出すヘッジファンドで筆者は運用をすることになりました。
一応、過去にヘッジファンドに関してはまとめていますので興味のある方は参考にしてみてください。
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掲示板での評判口コミ
評判も見ておきましょう。悲観的な声が集まりますが当然ですよね。
今が仕込みどきではという声がありますが、それについて述べた上で最後に締めくくりたいと思います。
2024年後半以降の先行き!グローバルAIファンドの今後の見通しは?
厳しいものと思います。そもそもAIに特化したアクティブファンド、つまりテーマファンドなわけで、今年のようなブームにならない限りは上昇しないファンドです。
ただ、今年は上昇しているものの、その上昇はいまいちです。
なぜかというと、AIブームのど真ん中銘柄であるエヌビディアとマイクロソフトは持っているものの、このブームが本物のブームでないと思われるためです。
実際、中小型株は上昇していません。
ブームに全く腰が入っていないのです。そんなものはブームではありません。幻です。上記の通り小型株は一切上昇していませんよね。
インターネットバブルは1995年から2000年まで続き、そして時を経て2010年以降、10年以上栄華を誇りました。これが真の「ブーム」というわけです。しかしAIブームは一部の銘柄が上昇しただけで、バブルには発展せず、9月末より指数ごと減速しています。
つまり、祭りは終わりということです。ここからは米国が引き上げている政策金利、また上昇が止まらない長期金利によって、ますますインデックスの形成は悪くなり、テクノロジー企業は地に落ちていくでしょう。全てが落ち切った時に、慎重に優良な銘柄を拾っていきたいものです。
しかし、そんなことは難しいので、プロが運用するファンドに任せるのがやはり最適ですね。
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