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「ネットネット株の弱点」をアクティビスト戦略で補完!BMキャピタルが行う本格的なバリュー株投資戦略とは?

「ネットネット株の弱点」をアクティビスト戦略で補完!BMキャピタルが行う本格的なバリュー株投資戦略とは?

BMキャピタルは下落耐性の強さが一番の強みです。リーマンショックなど株式市場が大きく下落してもマイナスを出さずに安定したリターンを獲得するファンドとして定評があります。

しかし偶然、上記のようなリターンを生み出せてしまっている可能性も否定できません。重要なのは継続して実績を出し続けるメソッドを有しているかどうかという点です。

 

ファンドの中には一時的に高いリターンを出すファンドも確かに存在しています。しかし、大抵は一時的に調子が良いというだけに留まります。

しっかりとした理論に基づいて運用がなされて初めて実績の継続が期待できるのです。

筆者は投資の勉強にも興味があったのでBMキャピタルから送られてくるレポートを毎回分析していました。

 

結果としてBMキャピタルの運用手法には共通している戦略があることを発見しました。

個人で実践すればよいのではと考えたのですが、個人投資家には再現できない手法で運用がなされているのです。

本日はそんなBMキャピタルだからこそできる攻守を備えた運用手法についてお伝えしていきたいと思います。

 

根本戦略:ベンジャミン・グレアム流のネットネット株投資を実践

まず、BMキャピタルが基本戦略として採用しているのがベンジャミン・グレアム流のバリュー株投資戦略です。

ベンジャミン・グレアムとは?

ベンジャミン・グレアムという名前を聞いたことがある方は殆どいないと思います。

ただ、彼の出版した「証券分析」は100年近く前に書かれているにも関わらず不朽の名作としてファンドマネージャー達の教科書的な存在としての地位を確立しています。

グレアムの証券分析

グレアムの証券分析

 

ベンジャミン・グレアムはコロンビア大学に在籍していたウォーレン・バフェットの師として知られています。

コロンビア大学

コロンビア大学

成功した投資家はやはり一流大学卒が99%ですね

 

バフェット自身もグレアムを父に次いで自らの人生に影響力のある人物であったと評しています。

ウォーレンバフェットとは、世界一の投資家と言われており世界長者番付でも常に上位に君臨する人物です。

2023年末時点ではその資産は960億ドル(約10兆円)となっています。

順位 名前 関連 年齢 資産額 資産額
(10億$) (兆円)
1 ジェフ・ベゾス アマゾン アメリカ 57 177 19.29
2 イーロン・マスク テスラ アメリカ 49 151 16.46
3 ベルナール・アルノー LVMH フランス 72 150 16.35
4 ビル・ゲイツ マイクロソフト アメリカ 65 124 13.52
5 マーク・ザッカーバーグ フェイスブック アメリカ 36 97 10.57
6 ウォーレン・バフェット バークシャー・ハサウェイ アメリカ 90 96 10.46
7 ラリー・エリソン オラクル アメリカ 76 93 10.14
8 ラリー・ペイジ グーグル アメリカ 48 91.5 9.97
9 セルゲイ・ブリン グーグル アメリカ 47 89 9.7
10 ムケシュ・アンバニ リライアンス・インダストリーズ インド 63 84.5 9.21

世界長者番付トップ40

 

グレアム流のネットネット株(バリュー株投資)とは?

ベンジャミン・グレアムが編み出した投資手法としてバリュー株投資(ネットネット株)があります。

グレアム流の投資の素晴らしい点は不確実な未来を投資の判断基準に含めていない点です。

将来の利益の予測などしても無駄である」という視点で銘柄選定を行なっています。

 

グレアムは投資する銘柄を、その企業が保有している「資産と負債と時価総額のバランス」で選定していきます。具体的には以下の式が成り立ちます。

 

グレアム流の銘柄選定条件

正味流動性資産 × 2/3 > 時価総額

※ 正味流動性資産=流動資産 - 総負債
※ 流動性資産:1年以内に現金化が可能な資産
※ 時価総額 = 発行済株式数 × 株価

 

わかりやすく図にすると以下の通りです。

グレアム流のネットネット株

 

この手法であれば、不確実な予測を行うことがありません。再現性高く銘柄を選定することができます。

ただ、何故2/3なのかという理由はありませんし、流動性資産にも不確実性があります。流動性資産は商品が含まれています。

商品が販売できればよいですが、必ずしも販売できるとは限りません。不確実な資産なのです。そこで、BMキャピタルは更に洗練させてネットネット株を組み立てています。

 

BMキャピタル流のネットネット株投資

BMキャピタルのネットネット株は以下の条件を選定します。

 

BMキャピタル流の銘柄選定条件

正味現金同等資産 > 時価総額

※ 正味現金同等資産=現金同等資産 - 総負債
※ 現金同等資産=現金+営業債権+有価証券
※ 時価総額 = 発行済株式数 × 株価

 

また、わかりやすく図で表すと以下の通りとなります。

 

BMキャピタルのネットネット株選定

 

この条件であれば確かに保有している現金の価値と時価総額を「Apple to Apple」で比べることができます。

既に保有している現金より低い時価総額の銘柄であれば安全性が高く、下落耐性が高いことに頷けますよね。

 

日本株はバリュー株投資に有利な環境

ネットネット株投資の最大の欠点はなかなか条件を満たす銘柄が見つからないことです。

持っている現金の価値より低い金額で取引されているなんて異常事態ですからね。なかなか存在しないお宝銘柄なのです。

 

しかし、現在の日本株は世界的にみて最も割安な部類となっています。

以下が全世界と主要国・主要地域の2021年末時点でのPERとPBRを横並びで比較したものです。

日本株市場は中国と並んで圧倒的に割安な水準となっています。

先進国でありながら、そして世界で2番目の株式市場の大きさながらPERが17枚程度となっているのです。

割安な日本株

PERとはPrice Earnings Ratioの略で、株価が1株当たり純利益(EPS:Earnings Per Share)の何倍まで買われているか、すなわち1株当たり純利益の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度です。

参照:PER/株価収益率・SMCB日興証券

 

また、上場している銘柄の多さも追い風です。

日本の多い上場企業数

東京証券取引所は上場している1社あたりの時価総額が香港と同様で小さくなっています。

さらにジャスダックやマザーズに関しては平均193億円と小型株ばかりとなっています。

 

証券会社や外国人投資家は大型株を調べるので適正価格に近い金額で取引されています。

一方、小型株は分析しないので著しく割安な水準で放置されることがあるのです。

実際、小型株が多い東証二部やマザーズ、ジャスダックは国内の個人投資家が主な投資家となっています。

 

東証プライム以外は個人投資家が多数

 

国内の個人投資家は株価を精査した上で取引は行わないので、異常なレベルで割安に放置される銘柄も存在してしまうのです。

まさに、日本株市場は超割安銘柄の宝庫となっているのです。

上記のような「ねじれ」を生かして、BMキャピタルは堅実な利益を獲得しているのです。

 

ネットネット株(バリュー株投資)はアメリカでグレアム氏が練り上げた手法ですが、上記の通り米国のPERは36倍となっており中々お宝銘柄を見つけ出すのは難しい状況です。

手法が開発された時は存分にその力が発揮できたと推察しますが、現在は日本で通用する手法となっています。

 

ネットネット株投資の欠点

ネットネット株投資には大きな欠点があります。

先ほど申し上げた通り、ネットネット株は個人投資家が主な投資家となっている「超小型株」に存在しています。

 

しかし、逆にいうと市場からずっと放置されて、割安なまま株価が推移することも十分あり得るのです。

このような銘柄の株価を上昇させるには、長い時間を耐えるか、自ら働きかけて能動的に株価を引き上げる必要があります。

アクティビスト戦略の手法

 

上昇するまで待つ場合、本当に上昇するか分かりません。場合によっては、ずっと上昇しない可能性もあります。これが個人でバリュー株投資を成功させることが難しいと言われる所以です。

 

そのため、一番確実な方法は能動的に株価を引き上げるという二つ目の選択肢となります。しかし、個人投資家には不可能です。

大きな資金規模を有する「ファンド」という形態であれば別です。

大株主になるだけで大量保有報告書を出すだけで市場の注目を集めることができますし、大株主として経営に株価を引き上げる策を提案することもできるのです。

金融商品取引所に上場している株券等(株券のほか、新株予約権や新株予約権付社債等の潜在株式やJ-REIT等も含む)を発行済み株式数の5%超を保有することとなった株主(大量保有者)が、大量保有者になった日から5日以内に内閣総理大臣(財務局長)に提出しなければならない書類のことをいう。一般には「5%ルール」と呼ばれている。

参考:大量保有報告書・野村證券

 

BMキャピタルは投資をしている最中の会社は公表していませんが、どうしてもこの戦略を取る上で表に名前が出てしまいます。

筆者もたまたま見た銘柄の大株主にBMキャピタルが入っており、アクティビスト戦略を行使していることを実感したものです。

BMキャピタルは証券会社の画面でも大株主として表示されている

楽天証券

 

BMキャピタルはアクティビスト戦略で弱点を補完

BMキャピタルは先ほど述べたネットネット株の欠点を能動的に動くことで解決しています。

つまり、大株主となった「物言う株主」として経営に働きかけて市場からの注目を集めているということです。

このような戦略をアクティビスト戦略と言います。

 

アクティビスト戦略は上場企業の経営陣や取締役会に働きかけ、企業価値を高めることを目的としています。

アクティビストは、オーナーである株主と意思決定者である経営者の間のコミュニケーションギャップを埋めるだけでなく株主価値の最大化を図るためにあらゆる手段をとります。

主な手段は以下となります。

 

  • オペレーション(コスト削減、収益拡大など)
  • 戦略的取引(M&A、売却など)
  • 資本構造(自社株買い、債務借り換えなど)
  • マネジメント(ガバナンスや方針転換、人材確保など)

 

BMキャピタルは主に1つ目と2つ目と3つ目の直接影響力が高い働きかけを行います。

 

実際、BMキャピタルは収益の枷となっているコスト削減をおこなったり、価値ある遊休不動産の売却を実行させたり、自社株買いを実行させて直接株価に働きかけています。

このアクティビスト戦略によってバリュー株投資による防御力に加えて安定したリターンを獲得することができるのです。

他の投資信託などは以下の理由によってBMキャピタルの手法をとることは出来ません。

 

✔︎ ネットネット株が存在する超小型株に投資できない
✔︎ 保有銘柄数が多くて1社あたりの持ち分比率が小さい

 

ヘッジファンドという形態だからこそ実践できる手法であるということができるでしょう。

以下は実際にBMキャピタルが投資した事例についてお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

BMキャピタルの投資事例「金下建設」から投資戦略を紐解く!組み入れ銘柄の特徴とは?

BMキャピタルがバリュー株投資を実践して+69%のパフォーマンスをあげた極東貿易(TYO: 8093)の事例を研究

BMキャピタルの過去組み入れ銘柄「キクカワエンタープライズ」の投資実行から利確までの流れを紐解く!

 

まとめ

BMキャピタルは下落耐性の高いベンジャミン・グレアム流のネットネット株投資を行っています。

更にネットネット株の弱点をアクティビスト戦略で補完して攻守備えた投資を実践し投資家の期待に応えているといえるでしょう。

戦略は論理的であり継続性があり、一時期のみ高いリターンを得られる時勢の力に頼るものではありません。

継続して安定した結果がのぞめると期待しています。

最後に

 

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筆者も、勝率の高い投資戦略を着実に実行しているファンドマネジャーが運用するファンドを選んでいます。ぜひ、以下の記事も参考にしてみてください。

 

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